名古屋で立ち寄った、永山祐子さんの建築
先日の出張の帰りに、名古屋・新栄町にある「AOI CELESTIE COFFEE ROASTERY」に行ってきました。
私の大好きな建築家、永山祐子さんの設計です。
都会の密集地という制約を、驚くほど軽やかで豊かな「余白」へと変貌させた建築だと感じました。

もっとも象徴的なのが、軽やかな大屋根です。
店名にある「céleste(天空)」を体現するように、多治見の職人が焼いたオリジナルの溝型ボーダータイルが敷き詰められています。
釉薬の厚みによって絶妙な色の変化が生まれ、まるで本物の青空や雲の移ろいを写し取ったようなグラデーションを見せています。
敷地は高層マンションに挟まれた都会のど真ん中にありますが、内部に一歩足を踏み入れると、その閉塞感は一切ありません。
光と緑を感じる、立体的な空間


1階にはコーヒーカウンターと焙煎室があります。
一部の床は掘り込まれており、座ったときの目線の高さに中庭が広がる、落ち着いた席も設けられています。

2階に上がると、目の前には中庭のオリーブ林。
大通りの喧騒から程よく切り離された、ゆったりと過ごせる空間が広がっています。

3階は予約制のバーとのことです。
細部にまで感じる、デザインの密度
永山さんのデザインらしい、五感に訴えかける素材の使い分けが、インテリアや細部にまで徹底されています。
温かみのあるオリジナルレンガでつくられた1階のコーヒーカウンター。
床や階段に施された、なめらかなテラゾータイル。
どこに身を置いても「デザインの密度」が高い。
都会の中にありながら、周囲の喧騒と切り離された、贅沢な時間が流れていました。
密集した都市環境の中に、これほど豊かな「光・緑・空」を取り込み、ロースタリー、バー、イベントスペースを美しく一体化させている手腕は、本当に素晴らしいと思います。
私の中では、新築の飲食店として一番と言ってもいいくらい印象に残る建築でした。
都市の中で、閉じながら開く
都市部においても、外からの視線や喧騒に対して閉じながら、内側には光や緑、空を取り込んで開いていく。
こうした考え方は、私たちがつくる建築にも共通するところがあります。
名古屋に行かれる機会があれば、ぜひ訪れてみてほしい場所です。