個性を反映する家づくりのアイデア
家づくりを選択する方々は、世界にひとつだけの自分のお城を持ちたいという強い想いがあるのだと思います。また、「賃貸と持ち家、どちらがお得か?」という議論は絶えませんが、その多くが金銭的な視点に偏っていることがわかります。もちろん、家づくりには資金が必要ですが、限られた予算でも個性に満ちた家づくりは可能です。
ここでは、個性的な家づくりのアイデアを紹介します。
目次
趣味とライフスタイルを反映するスペース
家族の同意があれば趣味性の高い家づくりも可能です。一方で、趣味性と快適性といった住みやすさは、往々にして、互いに矛盾するものです。
それでも、どこか一室だけでも趣味性を活かしたものや、息抜きのできる自分だけのスペースというものに憧れるものです。
ここでは、日常生活に彩りを添える、趣味や活動に特化した部屋を紹介します。
趣味を楽しむ特別なスペース
楽器に興味があるのなら、防音設備の整った音楽スペースに憧れるでしょう。体作りに興味があれば、街中のジムに負けない筋トレスペースを作るのもよいと思います。
特にこれといった趣味がない人でも、その部屋にいるだけで心安らぐ憩いのスペースを作ると自身だけではなく、家族も喜ぶことでしょう。
趣味に特化したスペースを家づくりに組み込むのはなんとも贅沢で至福の一部屋になるのは間違いありません。
ただし、趣味に特化した部屋づくりはそれなりの素材や設備が必要です。音楽スペースなら防音設備が必須ですし、筋トレスペースであれば、底が抜けないような強度が要求されます。
自身の知識だけではなく、専門家の助言を受けながら、趣味の活動に最適なデザインを考えましょう。
ライフスタイルをカスタム
せっかくの家づくりですから、住んで楽しい住宅設計を心がけたいものです。趣味に特化したスペースを家づくりに持ち込まなくても、家づくり自体を趣味と考えると楽しさが増します。
家づくりは知恵と工夫です。広大な敷地があって多彩な家づくりができる方は稀です。たいていは限られたスペースで家づくりをしなくてはいけません。そうなると家づくりも知恵と工夫となるので、楽しさが倍増するのです。
動線に特化して住みやすさを追究するのもよいですし、収納スペースをできるだけ多く確保して、家の中をスッキリ見せることに情熱を注ぐのもよいでしょう。
訪れた人にセンスがいいと言われたら最高の褒め言葉になります。目指すは、日常生活を豊かにするオリジナルな空間デザインです。
趣味と実用性を兼ね備えたスペース
多目的ルームですが、マルチファンクションルームという呼び方もあるようです。さまざまな用途に使える部屋があると何かと便利です。
子どもが大きくなれば勉強部屋に、親を招いた介護部屋に、将来の用途は決まっているけれど、それまでは多目的に使いたいといった使い方が多機能スペースの醍醐味です。
来客が多い家庭ではゲストルームにも使用できるので、人付き合いに余裕ができる点もおすすめです。
オリジナルなインテリアとデコレーション
インテリアも立派な家づくりの一つです。住宅が文字通りの箱物でハード的なものであるならば、インテリアはソフト的なものといっていいでしょう。
クラシック感あふれるアンティーク調のインテリアに仕上げるのもよいですし、近未来的なインテリアなど、そのような家づくりも自由自在です。
アンティーク調といっても歴史ある家具を揃えるのではなく、見せ方も工夫次第です。一方で手作り感あふれるログハウス的なものもよいでしょう。装飾を手作りにしたり、ユニークな家具を採用したり、個性を打ち出す表現力を追究するのも面白いです。
オーダーメイドとカスタム家具の取り入れ方
オーナーの個性や考えを反映させるのであれば、オリジナルのオーダーメイド家具あるいはカスタム家具を取り入れるのが一番です。
一方で、なにもかもオーダーメイドにすると予算オーバーになるので、カスタム家具を取り入れましょう。本格的なDIYといかないまでも、塗装を変える、あるいは光沢の加減次第で限りなくオーダーメイドに近いインテリアを手に入れることができます。
お金をかけるか時間をかけるかの選択となりますが、それも一つの家づくりとして楽しみたいものです。
アートとアクセサリーで彩る空間
リビングやゲストルームなど、家族の団らんや来客のための部屋があれば楽しいものです。
壁面アートなどはセンスが必要かも知れませんが、壁紙感覚なので気分に応じていつでも張り替えが可能です。また、センスの良い小物が数点あるだけでも部屋の雰囲気が一変します。
アートとアクセサリーは独自のセンスを活かすもので、自己満足の世界に浸りがちとなるので、家族や周囲の反応を見ながら進めたいものです。
カスタムデザインとテクスチャの選定
壁紙一つで室内が一変します。木の温もりを大切にしたいので、建材はすべて木材で簡易塗装のみで壁はむき出しといったデザインもよいでしょう。
一方で、カスタムを重視して壁紙でテクスチャの選定をするのも費用面やデザイン性の面で楽しいものがあります。オーナーの好みを反映する色彩と素材の組み合わせで、自在なカスタムデザインを楽しみましょう。
お洒落にする内装のポイント
家づくりの基本は大枠と間取りです。それと同時進行的に内装も考えてみると良いでしょう。
注文住宅での家づくりが決まったら、土地のことから始めて建材や間取り、オール電化に太陽光発電などさまざまなことに思いを巡らさなければいけません。
実は内装も重要事項ではあるのですが、後回しにしがちです。実際には建材や素材、間取りの確定などと同時期に進めたいものです。
お洒落に決めたい内装のポイントについて解説します。
色彩心理学を活用したカラースキームの選び方
カラースキームは聞き慣れない言葉ですが、直訳すると色彩計画となります。しっかりとしたカラースキームであれば、居心地の良い空間を作りやすくなるのでおろそかにできません。
色彩は心理的に大きな影響を与えてくれるので、インテリアデザインにおいて色選びがとても重要になります。
内装の打ち合わせで決めたい内容は以下のものがあります。
床材:フローリング、カーペット
建具:収納扉、窓枠など
内装壁材:クロス、塗装、タイル、羽目板など
住宅設備:キッチン、バス、トイレ、洗面所
照明器具
ウィンドウトリートメント:カーテン、ブラインド、ロールスクリーン
住宅設備については、リビングキッチンの自由度が高く、デザインセンスの見せ所となります。基本的なカラーや素材、間取りを意識した最適なカラーコーディネートにしたいものです。
全体の色と素材のバランスを考える
色彩感覚に優れた方やデザイン関係に詳しい方であればセンス良く色の配分ができるかもしれません。基本的に色の配分は3段階に分かれます。
ベースカラー:70%
メインカラー:25%
アクセントカラー:5%
ベースカラーは床や壁、天井など面積の大きい部分に使います。メインカラーはソファやカーテンなどの家具に使い、アクセントカラーは各所にポイントで使用するものです。
建材などの素材とバランスよく考えることが大切です。カラータイプが3通りですが、色そのものも3色以内に抑えるのがポイントです。
センスが問われそうですが、難しそうであればデザインの専門家にまかせてもよいでしょう。
個性を引き出すカスタムデザインのアイデア
リビング全体が吹き抜けとなっており、空間を最大限に活用しています。壁面はホワイトとグレーのツートンタイプです。
床材は素材を活かした色合いとして、壁面や天井のホワイトと対比するような絶妙な色彩を放っています。
オーソドックスでありながらユニークな色と素材の組み合わせでオリジナルな空間を演出。ここまで完成度が高いとインテリアも必然的に凝ったものになるでしょう。
吹き抜けのある開放的な空間に色彩が絶妙にマッチしており、安らぎの空間として申し分のない佇まいとなっています。
一点物のアートとアクセサリーの活用
厳密には家づくりとはいえませんが、家づくりを彩るものとしてアートデザイン、アートパネルも重視したいところです。
壁面に何も飾らない無機質なものがアート性を引き出す形で主流となっています。一方でセンスのよいアートパネルを飾ることで、壁面をオシャレに演出することもできます。
好みの問題ですが、ここではアートパネルやアクセサリーなどで家全体に個性をプラスする手法などを解説します。
アートパネルやアクセサリーで、家全体に個性をプラス
センスのよいアートパネルは室内空間をグッとオシャレに演出します。来客などのゲストにも好印象を与えてくれることは間違いないでしょう。
そこから会話が弾むことも少なくないので、話題性としても十分です。また、玄関やちょっとしたスペースにアクセサリーなどの小物を置いておくとアクセントとなって部屋の雰囲気を引き立てます。
アートパネルやアクセサリーはオシャレでモダンな空間の演出には欠かせません。家づくりの過程でも完成後でもアートパネルやアクセサリーなどの小物にこだわってみましょう。
手作りアクセサリーで温もりをプラス
アートパネルやアクセサリーは購入してきたものを飾るのが一般的ですが、購入するのではなく自身や家族のハンドメイドによるものを飾ってもよいでしょう。
いわば、家庭内ミュージアムのような発想です。ある程度見栄えのよいものにする必要がありますが、腕に自信がある、あるいはこれから勉強する過程でできたものを飾ったみたいというようなことでもよいです。
なにより手作りのアクセサリーには温もりがあり、家の中を暖かい雰囲気にしてくれます。
アートパネルの選び方
リビングや玄関などの空間をオシャレに彩ってくれるアートパネルですが、さまざまなデザインがあって何を選んだらいいのか迷うこともあると思います。
何を重視するかを決めると自ずとアートパネルも決まってくるようです。まずはインテリアとの調和と部屋・玄関の雰囲気などから考えてみましょう。
すぐに目に飛び込んでくるようなアートパネルの配置も大切です。
家族の絆が深まる家づくり
家づくりにはそこに住む家族の暮らしをイメージすることが大切です。自身のことはもちろん、配偶者や子どもたちのことを考えれば、自然と間取りのイメージも湧いてくるでしょう。
それぞれにプライベートスペースがあれば、間取りさえ考えればあとは家族まかせで問題ありません。考えなくてはいけないのはリビングなどの家族の共有スペースです。
家族の誰もが憩いのスペースとなるように、自然に家族全員が集まるような空間づくりが理想です。そのためにも、家族の写真や思い出の品などをディスプレイとして共有スペースに配置するのもよいでしょう。
思い出の写真で彩るウォールギャラリー
家族の写真立てをアクセントとしてリビングに置くのも一つの方法です。ひと頃はデジタルフォトフレームとしてスマートディスプレイが脚光を浴びました。
実際に活用している家庭も少なくないでしょう。気に入った画像を表示したり、ランダム表示したりも可能です。
少ししつこく感じたらいつでもオフにすることもできます。写真は思い出の一瞬を切り取ったものですが、そこから思い出話に花が咲く家族団らんの必須アイテムでもあるのです。
家族の宝物を飾る特別なスペース
部屋数に制限があると思いますが、家族一人ひとりにテリトリーとなるプライベートスペースを用意したいものです。
誰にでもプライバシーは大切です。
一人になりたいときがあるからこそ、家族との団らんを大切にしたいという気持ちも生まれます。家族の団らんのためにも、家族の誰もが宝物と思えるようなものをリビングに飾るとよいでしょう。
家族全員の笑顔が弾ける写真もいいですし、家族の歴史を思い出せるものならなんでもかまいません。
家族がリビングに集まりやすい動線が大切
リビングに家族が集まりやすい動線づくりが大切です。例えば、食事を済ませたら自分の部屋に戻るのではなく、リビングでゆっくりしたくなる動線づくりです。
帰宅したとき、食事を食べ終えたとき、入浴後などあらゆる動作の際にリビングを経由しないといけない動線であれば十分です。
常に家族の目があるのは窮屈なようですが、安心感につながるのも事実です。窮屈さを感じさせないような家族のつながりを大切にしたいものです。
ガーデニングやアウトドアキッチンで外の空間にも個性を反映
自然を感じたいアウトドア派の方にとって家づくりと平行して庭づくりにも注力したいところです。駐車場などのスペースで十分なスペースが確保できないときは、2階部分のバルコニーを活用する方法もあります。
アウトドアキッチンやバーベキューなどは、庭のある住宅ならではの醍醐味です。
一方で、庭で焚き火などをすることは違法行為ではありませんが、近所迷惑にならないように十分な配慮が必要です。
また、環境上の観点から自治体で細かいルールなど規制している場合もあるので下調べもしておきましょう。
緑あふれるガーデンスペースのデザイン
ガーデニングは世代を超えて楽しみ方は無限大です。ガーデニングにもいろいろ種類があって、簡易な家庭菜園にしてもよいですし、色鮮やかな花壇にするのもよいでしょう。
盆栽などはガーデニングの定番といえるものです。庭に十分なスペースがなければ、2階部分のバルコニーを活用してもよいでしょう。ガーデニングはむしろ日当たりのよいバルコニーのほうが向いています。
季節ごとに楽しめる植物の選び方と配置の工夫など深みがあるので、家づくりのあとの庭づくりは第2の楽しみになるかもしれません。
アウトドアキッチンで楽しむ屋外の食事
アウトドアキッチンが人気です。バーベキューと比べても火の管理がしっかりしているので、いわばキッチンをアウトドアに持ってきたイメージと考えていいでしょう。
もちろん、バーベキュー的な使い方も可能で汎用性の高いものとなっています。毎日のことになれば大変ですが、たまの生き抜きに庭で食事をするのも楽しいものです。
設備はキャンプ用のバーベキューからピザ窯までさまざまです。凝ってしまえば、キッチンをそのままアウトドア化したものもあります。
そこまでは、予算の問題もありますが、場所的な問題も駐車場を活用するのも一つの方法です。
屋外空間のデコレーション
12月はクリスマス向けにイルミネーションをしている住宅も少なくありません。夜となれば光り輝くイルミネーションは注目を浴びることでしょう。12月の寒さも忘れるほど足を止めて見物するギャラリーも多いはずです。
クリスマスイルミネーションは大げさにしても、年中パーソナライズされた屋外空間をデコレーションライトで照らす住宅もあります。
簡単に庭の木々などをライトで照らすのもよいでしょう。逆にシンプルなライトアップも注目を浴びるかもしれません。
まとめ
オーナー自身さらには家族の個性を反映させた家づくりというのはなかなか難しいものです。まず、個性を家に反映させるにはどうしたらいいの?から入っていかなければいけません。
そのためにも、手本となるようなたたき台があればどんどんイメージが膨らんでいくことでしょう。そのためにもたくさんの住宅を見学することが必要です。一つや二つの住宅だけで終わらせてしまうと、その住宅の延長線上のイメージで家づくりに入ってしまうことになります。
そのため、たくさんの住宅を見学して、自分なりのイメージで上書きして個性を引き出すようにしましょう。